ドイツのダイムラー社は24日、中国の電気自動車(EV)メーカーであるBYD(比亜迪)との合弁、深圳騰勢(デンツァ)新能源汽車の出資比率を変更すると発表した。現在の折半出資から、2022年にダイムラーが10%、BYDが90%の出資比率に変更する。
2012年から2021年まで、ダイムラーとBYDは騰勢に対して12回もの増資を行い、増資総額は70億元(約1262億円)を超えた。今回の動きについて、ダイムラーが新エネルギー車を騰勢で事業を展開するという目標をほぼ放棄したことを意味すると、業界では見ている。
2012年、ダイムラーとBYDは、中高級新エネルギー車メーカーと位置づけ、それぞれ50%ずつ出資する深圳騰勢新能源自動車を設立した。巨人の肩の上に生まれたブランドとして業界から高い評価を得たが、10年経った今も騰勢は大きな発展を見せてはいない。「騰勢」ブランド車の販売はここ数年低迷している。
中国メディア「財新網」によると、ダイムラーはBYDに、騰勢の株式40%を譲渡することで合意し、来年半ばまでに取引を完了させると24日夜に発表した。取引価格は公表していないという。
メルセデス・ベンツ自動車の販売台数は中国で上昇し続けているが、騰勢への需要が低迷し、合弁会社の利益の低さに、ダイムラーが懸念しているとブルームバーグが指摘した。騰勢ブランドは来年、新モデルを発売し、後継の成長チャンスを求める見通しだ。
(翻訳・徳永木里子)