中国中央銀行は22日、中国共産党委員会委員で中国中央造幣局の取締役である陳耀明(57歳)が同じ番号の紙幣2兆元(約358億円)を印刷したという噂を否定する声明を発表した。
同声明は、8日に陳耀明が自首したという報道に関連している。その前に、造幣局の高官が2兆元相当の同じ番号の紙幣を私的に印刷した疑いがあるという噂が、ネット上で出回っていた。
中央銀行がこの噂を否定した後、公式メディア「新京報」は同日、いわゆる「同じ番号の紙幣」は、同じ専用紙幣番号の2枚の本物の紙幣を指しており、このようなことは存在しないことを専門家が確認したと報じた。
しかし、中国メディア「楚天都市報」2010年12月29日の報道で、湖北省天門市蒋湖農場の男性が同じ番号の本物の100元札2枚を見せ、1990年版の100元札2枚は全く同じ番号であることが判明した。
記者の現地調査の結果、2枚の紙幣は中国農業銀行によって本物と鑑定されたことが報じられた。取材を受けた男性は、同じ番号の紙幣を見つけたのは今回が初めてではなく、以前にも同じ番号の紙幣が多くあったと話した。
また、上海ドラゴンテレビによると、江蘇省蘇州市民の羅さんは、同じ番号の本物の50元札を2枚も持っているという。
時事評論家の察克氏は、聯合早報の記事で、中国の造幣業界では問題を起こす役人が決して少なくなく、近年は役人が次々と失脚しているという。中央銀行の情報筋が、財新網に対し、造幣局の役人の失脚には、中に汚職問題に関与している可能性のものがあると語った。役人が絶えず調査されていることから、造幣業界の闇が深いことがわかる。
(翻訳・徳永木里子)