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 世界保健機関(WHO)はこのほど、ワクチン接種を受けた人や感染症から回復した人が、オミクロン変異株に感染する可能性がより高いという新たな警告を出した。

 WHOの主任科学者であるソミヤ・スワミナサン氏は、オミクロン変異体はデルタ変異体よりも広がる速度が速く、身体の一部の免疫反応をうまく回避できるという証拠が得られていると述べた。

 同氏はまた、オミクロン変異株に感染しても症状は軽いとする初期の結論は「賢明ではない」とし、感染者数が増え続けるにつれ「すべての医療システムが圧迫されることになる」と指摘した。

 WHOのテドロス・アダノム事務局長は同日の記者会見で、「ワクチンを接種した人や感染から回復した人は、より感染や再感染を起こしやすい」とし、人々が大量に集まることは、患者の増加、医療システムの過負荷、死者の増加につながると強調し、パーティーの延期やキャンセルを呼びかけた。

 英インペリアル・カレッジ・ロンドンが先週発表した研究結果では、オミクロンは他のウイルス株に比べて再感染のリスクが5倍以上高いことが明らかになった。同研究結果は、WHOが20日に発表した警告にも呼応している。

 ドイツのロベルト・コッホ研究所(RKI)の公式ツイッターアカウントも20日に、ワクチンの完全接種者や回復者でも、オミクロン変異株に感染するリスクは依然として「非常に高い」であり、追加接種を受けた人はオミクロン変異株に感染するリスクが「中程度」になるとツイートした。

 オミクロン変異株は通報されてから1ヵ月足らずで、世界90カ国以上に広がっている。3週間で、オミクロン変異株は米国で主流になった。米国務省は、世界の感染拡大を防止するため、米政府が国際機関への援助を5億8000万ドル(約661億円)増額することを決定したと発表した。

(翻訳・吉原木子)