(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国陝西(せんせい)省西安(せいあん)市で新型コロナの感染が拡大する中、19日に「流行性出血熱」と呼ばれる腎症候性出血熱の感染者が相次いで発見され、地域社会が緊張状態となっている。

 中国の健康時報によると19日、西安市の疾病管理センターは、冬に入って西安市長安区で流行性出血熱の感染者が何人か出たと明らかにした。最初の感染者は18日に発見され、正確に何人が感染したかについては公開しなかった。

 西安市は19日午後、18日0時から24時の間に10人の新規感染者が確認されたため、ロックダウン(都市閉鎖)の様相を呈しているという。コロナ流行が深刻な同市長安区では、同時に流行性出血熱の感染者も多数発生したため、住民はパニックに陥っている。

ロックダウンの地域(ツイッター動画のスクリーンショット)

 情報筋によると、長安区だけで200人以上が出血熱に感染しているという。これを受けて、複数の病院が実際に流行性出血熱の患者を受け入れていることが公式メディアで確認された。

 ネットユーザーが投稿した動画によると、西安市にある病院はすでに流行性出血熱に苦しむ患者で溢れかえっているという。

 流行性出血熱は発症初期のインフルエンザに似た症状を示し、出血などの症状を引き起こす急性発熱性の疾患だ。最悪の場合は死亡に至ることもあり、地域社会は緊張に包まれている。

 中国のネットユーザーたちの間では、イチゴが感染源であるという噂が出回っているが、専門家らは全く関係がないと説明した。

 主な感染源はネズミの72〜90%を占めるセスジネズミである。セスジネズミの排泄物が乾燥して、呼吸器を介してハンタウイルスなどが伝播されるのだ。人間間でのウイルスの伝播はしないことが分かった。

 中国の防疫当局によると、2020年1〜8月に中国の関連感染者は4359件が発見され、このうち21人が死亡した。2019年にも9596件の感染事例のうち44人が死亡し、平均死亡率は0.4%に達している。

(翻訳・徳永木里子)