米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は15日、中国の不動産業が今年後半に苦境が激化したため、年末までに銀行業の不動産不良債権比率が今年半ばの2倍以上になる可能性があると警告した。
S&Pが15日に発表した調査報告書によると、中国の銀行業における不動産不良債権比率は、2021年半ばに2.5%、2020年末に2%、2021年末には5.5%に上昇する可能性があるという。
不動産業は圧力に直面しており、不動産開発業者(デベロッパー)の約3分の1が財政難に陥っていると推定され、2021年には全体の不良債権比率も約20ベーシスポイント上昇し、銀行の収益を弱める可能性があるという。
中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC、銀保監会)はこれまで、不良資産の銀行に対する圧力が続いていることを繰り返し警告した。銀行の不良債権残高が9月末で3.6兆元(約64.52兆円)にのぼった。
しかし、中国公式が発表したデータには隠蔽と偽造の疑いがあり、専門機関や専門家の推算によると、中国の銀行業の不良債権は公式が発表したデータをはるかに上回っているという。S&Pが2020年2月20日に発表した研究報告書によると、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の流行は中国経済に大きな打撃を与え、個人や企業の収入や利益が激減し、債務の返済が困難になる可能性があるという。最悪の場合、中国の銀行業の不良債権は7.7兆元(約138兆円)から10.1兆元(約181.01兆円)に達するだろう。
(翻訳・徳永木里子)