友達のAさんは8キロも減量できました。そんなAさんのお話をしたいと思います。
大学を卒業してから、Aさんは順風満帆でのんびりとした生活を送ってきました。同時に、数年も経たないうちに、ものすごいスピードで体重が増加し、まるで別人のように太ってしまいました。肥満が過ぎると、健康状態に悪影響を及ぼすことを恐れて、Aさんは様々なダイエット法を試しましたが、悉く失敗に終わりました。
ダイエットに失敗しましたが、気楽なAさんはこの際思い切ってダイエットを潔く諦め、生活を楽しむようにしました。
今年の夏、Aさんは長い休みを利用して、海辺の部屋に住み始めました。毎日、果てしない海を見つめるのがとても楽しかったそうです。そして夜になると、やることのないAさんは、奇麗な夜の海を見ながらランニングを始めました。
毎晩、海辺を沿って5キロを走るAさんは、夜の海を撮影して、写真を友達にシェアしました。こうして友達もAさんと一緒に、奇麗な夜の海を楽しみました。もちろん、目の前に広がる海と共に暮らせたAさん本人は、海辺の生活を最高に楽しんでいたようです。
こうして、一か月余りの休みが終わりました。自宅に帰って、体重計にたまったほこりを払って、久しぶりに乗ってみたら、なんと、8キロも減量できたそうです。減量する気なんて全然なかったのに、海風に吹かれながら、夜の海を楽しみながらランニングをしただけなのに、どんな方法でも減量できなかったAさんは、こうも簡単に8キロも減量できました。
この話を聞いた私は、とても感慨深く思いました。多くの人は、目標を設定して、その目標に向けて努力します。それは良いことではありますが、努力をする中で、いつの間にか視野が狭くなってしまい、目標以外は何も見えなくなりがちです。このような頑固な執着は成功ではなく、その真逆な結果をもたらしてしまうことも多いでしょう。
このように景色を楽しむためにランニングをして、結果的に減量できたAさんのように、純粋な初心を持つことがとても大事です。目的をもって事を為すのは、自分に必要以上にプレッシャーをかけてしまうかもしれませんが、淡々と落ち着いた気持ちで取り組むことで簡単にできてしまうものです。純粋な初心に戻り、純粋な生活を送り、純粋に事を為すことができれば、期待以上の結果が待ち受けているかもしれません――。
（文・青松／翻訳・常夏）