(Foreign, Commonwealth & Development OfficeのTwitterより)

 主要7カ国(G7)外相は12日、ミャンマーを除く東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の外相を招いた拡大外相会合をはじめて開催し、中国共産党(以下、中共)の覇権主義的野心の脅威の中で、自由で開かれたインド太平洋の維持を確認した。

 G7とASEAN外相会合はオンラインで行われ、G7外相サミットの議長であるエリザベス・トラス英外相が、G7とASEANとの間で戦略・対話・開発パートナーシップを結成することを発表した。双方は、国際法を尊重する下で、2019年にASEANが発表した「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」報告書に示された原則に従って、自由で開かれたインド太平洋地域の維持に共通の利益があると確認した。

 会合では、開放的な市場、持続可能な高品質のインフラ、地域の安定、インド太平洋地域の持続可能な発展、南シナ海、サイバーセキュリティなどについて議論した。中共が推進する「一帯一路」インフラプロジェクトの挑戦に対応するため、双方は民間企業、国際金融、多国間開発銀行からの資本の動員について話し合い、それらの重要性を強調した。

 また、グローバル・サプライ・チェーンが中共に制約されている問題については、弾力性のあるグローバル・サプライ・チェーンを維持し、国際的な規則の遵守を促す状況下で、各国の国内市場を貿易や投資に開放する行動が世界経済の回復にとって重要であることを強調した。

 南シナ海での中共による「埋め立て」をめぐって議論した。埋め立て行為は、南シナ海の環境を害し、国家間の信頼を損ない、地域の緊張を高め、南シナ海の平和・安定・安全に対する脅威となり得ると主張した。声明では、「双方は、国連海洋法条約を含む国際法の遵守を再確認した。同条約はすべての海洋行動が遵守すべき法的枠組みであり、海洋分野における国家、地域、世界の行動と協力の基礎としての条約の戦略的重要性を再確認した」と書かれている。

(翻訳・徳永木里子)