（ネットより）

　中国浙江省杭州市にある動画共有サービスのティックトック（TikTok）の運営などを行うバイトダンス（ByteDance）の従業員がこのほど、リストラされたためビルから飛び降り自殺した。

　あるネットユーザーが12日、ソーシャル・メディアに動画を投稿し、7日の夜、杭州市バイトダンスの従業員がリストラされたために、ビルから飛び降り自殺したと述べた。動画では事件現場の地面に血の跡が残っており、白い布で体を覆われた遺体があり、周囲に多くのパトカーが停まっている様子が映っている。

　中国で有名なQ＆Aプラットフォーム「知乎（ちこ）」では、人事管理の仕事に携わっているあるネットユーザーが、大手企業の採用戦略の観点から今回のリストラの嵐を分析した。同ネットユーザーは、現在、IT企業は新卒者を大量に採用しており、これらの学生が入社すると、エリート中のエリートのわずか一部だけが継続雇用され、残りはいつでも解雇されることになると語った。彼らは年功のない新入社員なので、解雇の補償金も非常に低い。このようなやり方は、すでに多くの中国のIT企業の採用戦略となっている。

　今年に入ってから、中国の大手インターネット企業では、新卒者からベテランプログラマーまで、惜しげもなく人員削減が行われている。人員削減を行った企業には、テンセントやバイトダンスなど国際的にも有名な企業も含まれており、部門によっては従業員の7割が削減されたところもある。

　中国メディアによると、バイトダンスは昨年末から、営業チームの組織構造や業務範囲など一連の調整を行っている。バイトダンスの関係責任者はメディアに対し、リストラの情報は事実であり、会社にとっては通常の業務調整であると主張した。

　この動画が公開された後、多くのネットユーザーからコメントが寄せられた。

　「また、大企業の規模縮小の犠牲者だ」

　「リストラされてローンを返せなくなったんだろう」

　「私の友人も、夫婦で毎月1万6千元（約29万円）の住宅ローンを返済しなければならないが、現在、失業してしまって、どうしたらいいんだろう？」

　「月給2万元（約36万円）の仕事を一生続けられるとは決して思わないで、今の状況に危機意識を持つべきだ」

（翻訳・吉原木子）