国立天文台や京都大、兵庫県立大などの研究チームは、「せいめい望遠鏡」(岡山県浅口市にある)で、太陽の表面で突発的に起きる爆発現象(フレア)よりはるかに大規模な「スーパーフレア」が110光年先の「りゅう座EK星」で発生したことを、観測した。メディアの報道によると、同発見は9日、英科学誌ネイチャー・アストロノミーに掲載された。
「りゅう座EK星」は若い太陽に似ているG型主系列星であり、ラテン語のEKドラコニスにちなんで名付けられた。国立天文台の研究チームは、りゅう座EK星のスーパーフレアに伴って「フィラメント」と呼ばれる大量の電離した水素(温度約1万度のプラズマ)が噴出されたことを明かした。さらに、今回の現象で放出されたフィラメントの質量は、太陽史上最大級の質量放出の10倍以上あり、秒速約500キロメートルに達するという。
太陽フレアは黒点近くの磁気エネルギーから発生し、現在は規模が大きくても、地球への影響は送電網や電波通信、人工衛星に障害が起きる程度。しかし、りゅう座EK星で観測されたスーパーフレアのエネルギーは最大級の太陽フレアの約20倍以上だった。専門家は、地球は今世紀の終わりに壊滅的な太陽フレアに見舞われることを懸念している。
(翻訳・徳永木里子)