米連邦下院は14日、中共が中国新疆ウイグル自治区で行っている新疆ウイグル族への虐殺をめぐり、制裁目的とする「ウイグル人強制労働防止法案」を可決しました。同法案はこれから上院に送付され、可決されれば大統領の署名を経て成立し、2021年末までに法律として発効する見込みです。 中共は必死に反発しています。
米RFAの15日付の記事によると、 この法案には、企業が強制労働で生産されたものではないと証明できなければ、同自治区からの産品の米国への輸入が禁止されます。 また同法案には、米国が強制労働の使用を無くすために、ビザや金融制裁、輸出入制限などあらゆる手段を講じると記しています。
世界で販売される綿製品全体の約5分の1が、新疆産の綿花や綿糸で作られており、世界のポリシリコンの50%近くが新疆で生産されています。法律となれば、中国の輸出に大きな打撃を与えます。
下院の通過を受け、 中国外交部の趙 立堅報道官は15日、記者会見で、「新疆における『大虐殺』と『強制労働』は世紀の嘘だ。米国の政治家が『新疆を利用して中国を制する』という企みは成功しないだろう」といつもの戦狼態度が全開になっていました。
また、通過の前日13日にも 、新疆当局は、中共側のいわゆる「暴動事件」の動画を初めて公開し、虐殺の正当性を主張しました。
これについて、世界ウイグル会議側は「中国外交部のコメントは白黒を完全に逆転させている。虐殺を隠蔽しようとするもので、国際社会の知性を侮っている」と指摘しました。
中共にとって都合の悪いことが立て続けに起こりました。
弁護士や人権専門家らによる英国の独立した民衆法廷「ウイグル法廷」は9日、報告書を発表し、中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定しました。習近平総書記や中共高官らが人権侵害に関して「主要な責任を負っていると確信している」とも強調しました
英「フィナンシャル・タイムズ」の15日付は、米政府は16日、ウイグル人の監視に関与した疑いがあるとして、中国企業8社を投資ブラックリストに載せる予定だと報じました。
世界ウイグル会議は15日、グローバル・リーガル・アクション・ネットワーク(GLAN)の支援を受け、英政府に対し、ウイグル人の強制労働に関わる製品の輸入禁止措置を求める訴訟をイングランド・ウェールズ高等裁判所で起こしました。
中共による新疆への弾圧は国際社会に完全に否定され、これから、更なる代価を支払うことになるとみられます。
(新時代Newsより転載)