(YouTubeチャンネル「中国禁闻」より)

 中国のポータルサイト「網易」はこのほど、江蘇省、浙江省、広東省、福建省、上海などの地域をはじめ、公務員が大幅に減給される可能性があると報じた。

 報道によると、珠江デルタを除く広東省の一部地域の政府機関ではすでに手当の猶予が始まっており、公務員の手当は2か月猶予、教師の手当は1か月猶予、基本給のみ保障されている。深センに戸籍転入する際、学士学位がある人への1.5万元(約27万元)の補助金、修士学位がある人への2.5万元(約45万元)の補助金はいずれも廃止されたという。同報道は、「深センは全国で最も財政が充実している都市の1つであり、その他の都市は補助金をさらに支給しにくくなるだろう」、「鉄飯碗(注1)中の鉄飯碗と呼ばれる公務員でも、待遇を下げられるなんて驚き呆れる」と嘆いた。

 時事評論家の秦鵬(しん・ほう)氏は8日、「大紀元」とのインタビューで、減給のニュースは、中国当局が現在金欠であることを浮き彫りにしたと述べた。

 今年に入ってから、新型コロナ、貿易戦争、水害など複数の要因が重なり、中国経済は大幅に下落し、各地の財政収入に直接的な影響を及ぼしている。李克強首相は「苦しい日々を送らねば」と何度も話した。清華大学経営管理学院金融学科の李稲葵(り・とうぎ)主任もこのほど、中国経済は今後5年間で改革開放以来「最も困難な時期」に直面するだろうと語った。

 秦鵬氏は、李稲葵氏はこれまで御用経済学者とみなされてきたが、今回の警告は確かに尋常ではなく、現在の経済状況に対して、彼も泰然自若(たいぜんじじゃく)できなくなった。現在、中国経済の下落は、新型コロナのほかに、中国共産党と外界との関係が悪化し、経済をかく乱していることと深く関わっていると述べた。

 中国共産党は現在、各種業界への弾圧を緩めず、さらに名ばかりの「共同富裕」を行おうとしている。これは、投資・消費を遅滞させ、資金流出を加速させることになり、長期的に見れば、苦しむのは公務員だけではなく、より多くの一般民衆だと、同氏は述べた。

 注1:食いはぐれる心配のない安定した職業

(翻訳・吉原木子)