米国の投資市場は11月30日、インフレとオミクロン変異株に対する業界の懸念から、先週に続いて苦境に立たされた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日、次回の政策会合でインフレリスクを警告し、大規模な債券買い入れプログラムのテーパリング(量的緩和の縮小)を検討する可能性を示唆した。その後、S&Pは1.74%、ダウは1.75%、ナスダック総合は1.82%と、それぞれ下落幅を拡大した。
エネルギー市場では、原油市場が先週の損失をさらに拡大して損失を食い止めるのに苦労し、米国の原油先物価格は会期中に再び5.6%以上下落し、66ドル(約7480円)を下回った。これは、投資家が現在の状況を楽観視できないと考えていることを反映している。同日、モデナの最高経営責任者(CEO)がフィナンシャル・タイムズとのインタビューで、新しい変異株に対する既存のワクチンの有効性を懸念していることを明らかにしたことで、投資家の間では、流行がコントロールされているという確信を打ち砕いた。 これを受けて、ヘルスケア分野の多くの企業の株価は大きな損失を被った。
一部のアナリストは、新たな状況が各国の中央銀行の今後の反応を複雑化にし、市場はパニック状態に戻り、その結果、供給側のボトルネックが悪化する可能性があると懸念している。
時事評論家の何旭(か・きょく)氏は希望之声とのインタビューで、オミクロン変異株はデルタ変異株の拡散速度を上回る可能性があり、業界は医療業界からの安心感やポジティブなシグナルを受け取っていないため、パニック状態に戻ってしまったと述べた。多くの政府は2020年初めの経済停止政策を繰り返さない方向に傾いているが、業界では、経済危機が来年には自動的に収束するとの楽観的な見方がある一方で、感染が拡大するにつれてサプライチェーンや雇用へのプレッシャーが継続すると予想している。
(翻訳・吉原木子)