新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)の最新変異株「オミクロン」が新たに確認された南アフリカは11月9日、すぐに世界保健機関(WHO)に新型の遺伝子配列を通知し、各国がタイムリーに対応できるように、世界に情報を迅速に伝えて共有した。ブリンケン米国務長官は27日、迅速に変異株だと確認し、情報を共有した南アフリカ政府と研究者を「世界の模範になるべきものだ」と称賛した。
ブリンケン国務長官は27日、南アフリカのナレディ・パンドール外相と電話会談を行い、南アフリカ人向けのCOVID-19ワクチンに関する協力について話し合ったと、米国務省が声明を発表した。新たに確認されたオミクロン株について、ブリンケン国務長官は南アフリカの対応が非常に迅速で、南アフリカ政府の透明性を「世界的な模範だ」と称賛した。
ブリンケン氏が南アフリカ政府を称賛したことで、中国共産党(以下、中共)は非常に厄介な立場に立たされている。新型コロナウイルスは2019年12月に中国の武漢市で初めて現れ、その後、国内だけでなく世界195カ国に急速に広がり、現在までに世界で少なくとも520万人が死亡している。トランプ政権からバイデン現政権まで、中共が新型コロナウイルス発生源を公表していないと批判してきた。また、中共が新型コロナウイルスに関する重要な情報を共有するのを長く遅らせ、各国がコロナの拡散をタイムリーに予防・抑制措置ができなかったようしていると非難している。バイデン大統領は、「世界は答えを必要としている」とし、「責任ある国はそのような責任を他国に転嫁しない」と述べた。
このような背景があり、現在、中国の医学専門家らは「オミクロン」の危険性を極力薄めようとしている。
中国疾病予防センター疫学首席専門家の呉尊友(ご・そんゆう)氏は、今冬から来春にかけてデルタ変異株は依然として主要な流行株であり、「オミクロン株」はさらなる観察が必要だと述べた。
上海の復旦大学附属華山病院感染科の張文宏(ちょう・ぶんこう)主任は、現在の中国ではオミクロンの影響はあまりないとした上で、新型コロナウイルスワクチンは、インフルエンザワクチンと同様に、ウイルスの変異に基づいて毎年迅速に設計・製造されるだろうと述べた。
鍾南山(中国の国家衛生健康委員会の専門家グループの責任者)氏は、中国製ワクチンは「オミクロン株」に対しても有効であると主張した。しかし、多くのネットユーザーからは、1、2年前に開発されたワクチンが、出現したばかりの突然変異したウイルス変異株に対抗できるのか、鍾南山のその主張は、無責任であり職業倫理にも反するものではないかと疑問視している。
(翻訳・吉原木子)