中国共産党(以下、中共)中央委員会と国務院は24日、高齢化問題に対応するため、成人した子女が高齢両親の近くに住んだり、同居したりして扶養義務を果たし、親の面倒を見ることを奨励する文章を発表した。中国のネットユーザーの間で話題となった。
高齢化社会に対応するため、中共中央委員会と国務院は24日に「新時代の高齢化対策強化に関する意見」を発表し、関連産業の発展や高齢者サービスシステムの健全化のほか、成人した子女が高齢両親の近くに住んだり、同居したりすることを奨励し、扶養義務を履行し、介護責任を負うなどを提案した。
湖北省在住の時事評論家である伍立娟氏(中国工商銀行の元職員)は、この政策について、ラジオ・フリー・アジアのインタビューで、「中共は72年間、一度も国民に約束したことを実行したことがない。1970年代には『1人っ子政策は良い、国が高齢者の面倒を見る』、1980年代前半にも『1人っ子政策は良い、政府が高齢者の面倒を見る』と言われていたが、1990年代前半には政策が変わり『養老は国に頼るべきではない、自分に頼るべき、今は子女に老後の面倒を見てもらうべき」」とした中共の政策を批判した。
また、権利擁護団体の北京益仁平センターの共同設立者である陸軍氏は、政府が実施した1人っ子政策(計画生育政策)により、人口減少と高齢者の人口構成における割合を上昇させた。現在、老後の扶養責任を各家庭に転嫁するのは明らかに無責任な行為であると指摘した。
国民にも不満を引き起こし、一部のネットユーザーはウェイボー(微博、Weibo)にコメントを残した。
「夫婦ともに1人っ子同士、双方の両親が合計4人いるのに、一緒に住めるか?双方両親4人、夫婦2人、子供3人という家族構成なら、どれだけ広い家が必要なのか」
「奨励?何で奨励するのか?家屋を買うときに1軒買うと1軒無料にしてくるのか?」
(翻訳・徳永木里子)