AVIC傘下の航空力学研究所(AVICホームページより)

 中国共産党(以下、中共)の習近平総書記は22・23日両日、軍隊の兵站会議で「強軍思想」をより深く認識する必要性があると強調した。同時に、中共は極超音速兵器に力を入れており、この動きは米国に対抗する軍拡や戦争準備だと指摘した専門家もいる。

 新華社通信23日の報道によると、習近平中央軍事委員会主席が22日から23日にかけて、北京で兵站の問題について会議を行った。習近平氏は、「近代的な軍事物流システムと軍隊資産管理システム」構築を加速する必要性を強調し、中共の「すべての軍隊」が「新時代」の「強軍思想」と「軍事戦略」を強化することを期待しているとした。

 中共の軍隊に所属する中国航空工業集団(AVIC)傘下の航空力学研究所は、21日のプレスリリースで、極超音速ミサイルの作動環境における速度と高温を模擬実験できる風洞が準備できたとし、その役割の一つとして極超音速滑空体(HGV)から兵器を分離して発射する実験のためのものだと明らかにした。

 HGVは、長距離ミサイルの先端部に搭載される機動式弾頭であり、発射されると予測不可能な経路で目標に向かって滑空し、迎撃を困難にする。

 同報道によると、中共はすでに核弾頭を搭載できる弾道ミサイルを数百発保有している。それらのミサイルは宇宙に入り、HGVよりも早く地球に戻ってくることができる。

 各メディアの報道によると、中国は7月、南シナ海上空を滑空中に極超音速兵器から、音速の5倍以上の速度でミサイルを発射していたという。

 米国に滞在する中国経済学者である程暁農氏は、大紀元時報22日付の記事で、現在の中共「新時代」の主な特徴は米国に対する軍拡や戦争準備だと指摘している。

 程氏は、中共が最近提唱しているいわゆる「新時代」にはいかなる「新らしいもの」もないと述べている。なぜなら、中国国内の政治と経済の両方面で、中共が国民に「新時代」を実感させることができなかったからである。この「新時代」というのは、米国を標的とした対外攻撃であるという面での「新」にすぎない。

(翻訳・徳永木里子)