米ウィスコンシン州の陪審員は19日、2020年のデモ現場で2人を射殺し、1人を負傷させた米国人カイル・リッテンハウス被告(18)に無罪判決を言い渡した。
2020年8月、ウィスコンシン州で警官によるアフリカ系アメリカ人の黒人男性ジェイコブ・ブレークの致死事件がきっかけで、「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」デモが発生した。リッテンハウス氏は、8月25日にウィスコンシン州ケノーシャで行われた警官の暴力に抗議するデモで、3人に発砲し、2人が死亡、1人にけがを負わせた。同氏は自分の命が脅かされたための正当防衛だと主張した。
4日間にわたった評議の結果、ウィスコンシン州在住の一般人12名の陪審員は、全会一致で「リッテンハウス氏は正当防衛のために発砲したのであり、故意に撃ったのではない」と判断した。そのため、法廷は5つの容疑を取り消し、リテンハウス氏の無罪が確定となった。米メディアの報道によると、今回の判決は最終的なものである。
判決後、同氏は感謝の気持ちを込めて、「正当防衛は違法ではなく、陪審員が正しい判断をしてくれたことに、とても満足している」とFOXニュース網(FoxNews.com)に語った。
両大統領の、判決についての発言
同判決に対して、ジョー・バイデン米大統領は、「陪審員が下した結論を支持し、その判断に従わなければならない」と述べた。その後、「暴力や破壊は我々の民主主義社会に存在できない。すべての人に、法を尊重した平和的かつ礼儀正しい方法で意見を表明することを呼びかける」との声明を発表した。
ドナルド・トランプ前米大統領は19日、「もしこれが自己防衛でなければ、何も自己防衛にはならない」と声明を出した。
(翻訳・徳永木里子)