遠東集団の亞洲水泥( © CEphoto, Uwe Aranas / CC-BY-SA-3.0)

 中国当局は、製造業や不動産開発事業を展開する台湾の「遠東集団(ファーイースタン・グループ)」と上海市や江蘇省など5省・市の傘下企業に違法行為があったとして、地元当局が遠東集団と傘下企業に対し、罰金や追徴課税の処分を下した、と新華社通信が22日に報じた。罰金額は計8862万元(約15億8700万円)に上り、遠東集団は違法行為を認めている。

 中国共産党(以下、中共)の国営新華社通信は、台湾遠東集団の上海市・江蘇省・江西省・湖北省・四川省にある化学繊維・紡織・セメントなどの企業に対し、環境保護、安全・防火、税務、土地利用、従業員の健康、製品の品質などに関する違反を理由に罰金などを科したと最初に報じた。同社には追徴課税や罰金が科せられ、一部の企業で使われていない建設用地が回収されることも予想される。詳細は調査中という。

 これに対して、米サウスカロライナ大学エイケン校ビジネススクールの謝田教授は、「希望之声」のインタビューで、遠東集団が中国でセメント、化学繊維などの製造業に罰金を科せられた原因は、その背景にあると述べた。

 謝氏は以下のように分析した。現在、遠東集団が投資した建設資材や建設業界を含め、中国では全般的に生産能力が過剰になっている。台湾投資や外資のこれらの運営で、必ずいくつかの国内市場シェアを圧迫することになる。もちろん、大きな政治環境の問題もある。中共は台湾企業を全面的に攻撃し、台湾人や台湾政府に圧力をかけたいと考えている。中共が使った理由もすべてでたらめで、税金から環境保護まで、これは明らかに政治的迫害である。政治的迫害の目的の背後には、台湾を威嚇するという目的がある。台湾の企業や投資家に対する、彼らの使用価値はすでに使い果した。中共はもう彼らを必要としていない。中共は恩知らずで、恩を仇で返すようなやり方を始めた。

(翻訳・徳永木里子)