林芳正外相(右)(首相官邸, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons)と中国の王毅国務委員兼外相(左)(首相官邸ホームページ, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons)

 林芳正外相は18日、中国の王毅国務委員兼外相と、就任後初の電話会談を行った。林氏は会談の中で、沖縄県・尖閣諸島の周辺海域での中国公船の活動、香港や新疆ウイグル自治区の人権問題について「深刻な懸念」を表明した。また、台湾海峡の平和と安定の重要性についても言及した。

 林氏の発言に対し、時事評論家の藍述氏は「希望之声」のインタビューで、「これは稀なシグナルである。日本政府が台湾海峡の安全と安定を懸念しているということだけではない。日本が長年抱えてきた自国の安全保障への不安を表している。台湾海峡問題、尖閣諸島問題、そして中国の人権問題は、深い歴史的な背景を持ち、現実的な意味で互いに交錯している」と述べた。

 「台湾問題は実際、主権の問題ではなく、人権の問題だ。台湾人はまず、主権を守らなければならない。そうでなければ、香港人のようになってしまうのだ。そうなったら、台湾の次は誰だ?だから、日本政府が台湾海峡の現状を見た時、次に頭に浮かぶのは自国のことだ。そのため、今回は、日中外相が会談した時、尖閣諸島の問題、台湾海峡の安定、中国の人権問題をまとめて、中国政府に直接に提起した。日本政府は、台湾海峡の安定だけでなく、日本本土の将来の安全保障についても極めて大きな不安と危機感を抱いていることを露呈している」と同氏は言い添えた。

(翻訳・徳永木里子)