中国における開頭手術の最初の例である、大汶口文化遺跡で発見された頭蓋骨の鑑定で、中国で5000年前に開頭手術に成功していたことがわかった。
この頭蓋骨は山東省文物考古研究所が大汶口文化遺跡で発見した成人男性の頭蓋骨である。考古学者が骨格標本を整理したところ、この頭蓋骨の右側の頭頂骨の後部に直径3.1 × 2.5センチの円形の穿孔があった。この穴が非常に滑らかで、均一な円弧形状を示している。
医学者らはこの頭蓋骨に対して、人体標本観察、X線撮影、コンピュータ断層撮影、3次元再構成を行ったところ、頭蓋骨の丸い穴に人工的に鋭い道具で削った跡が見つかった。神経外科の専門医は、これが明らかに手術の痕だとしている。
研究員らは、「このような滑らかな円弧は自然修復されたもので、非常に精巧な手術と骨組織の修復が行われた後に形成されたものである。これはこの墓の持ち主が手術後も長い間生存していたことを示しており、先史時代の外科手術が成功したことを意味する」と述べた。
考古学者らも同じ持論で、「この頭蓋骨が出土された墓には棺と副葬品があり、正常に埋葬されていた。つまり、墓の持ち主が病気をして、開頭手術を受け後、長く生きていた」と述べた。
放射性炭素年代測定によると、同墓は大汶口文化中期に属し、今から約5000~5200年前に遡る。
当時において開頭手術を行う原因について、専門家は、「開頭手術を行う原因は3つに過ぎない。一つは頭蓋骨の損傷、特に骨折時の治療であり、もう一つは頭痛、癲狂(てんきょう)及びその他の興奮状態を治療するためである。また、頭骨の円盤状のものを魔よけとして得るためであった可能性もある」と述べた。
専門家たちは、このような精巧な外科手術を当時のような時代に実施して成功させたのは、先人たちの卓越した知性と創造力を証明するものであると述べた。
(翻訳・吉原木子)