中国共産党(以下、中共)政権は、米国の半導体技術の制限を打破するために、各地でチッププロジェクトや工業団地を建ているが、失敗したプロジェクトも少なくない。最新情報によると、当局が政府の支援を受けた秘密組織に、海外技術の入れ替えを加速するための「ホワイトリスト」の作成を命じたという。
去年9月11日、習近平総書記は科学者フォーラムで、工業、農業、エネルギーなど、他人(他国)にコントロールされる分野を挙げた。工業の中で最も典型的なのはチップで、あり、最も他人に依頼し、最も他人にコントロールされやすいものであると述べた。
米メディア『ブルームバーグ』は16日、習近平政権が、政府が支援する秘密組織に「ホワイトリスト」を作成させることで、米国や外国の技術を代替する計画を加速させていると報じた。
情報筋によると、中国のパソコン、チップ、ネットワーク、ソフトウェアのサプライヤー約1,800社がすでに「ホワイトリスト」に加えられているという。これまでに数百社の中国企業を「ホワイトリスト」のメンバーとして認定している。特に今年は、このプロジェクトの推進が長年にわたる中で最速の年となった。
ホワイトリストの構成と主要なターゲットがこれまでに知られていなかった。同リストは、当局が現地企業の技術的自立を加速させ、サイバーやチップなどの分野で米国の制裁を克服するのに役立つ。中共国営新華社通信系の「経済参考報」は9月、ファーウェイやアリババグループなど、「信創(情報化応用イノベーション)」プロジェクトの上位40社をリストアップした。
欧州天鈞政経シンクタンクの研究によると、トランプ政権が2018、中興通訊(ZTE)やファーウェイ社、SMIC社などの企業を制裁してから、中国企業の深刻なチップ不足という致命的な弱点が露呈したという。
特に産業分野では、チップがないとなかなか前に進まない。例えば、自動車業界でチップが不足すると、ESP(横滑り防止プログラム)とECU(エンジンコントロールユニット)という車載コンピュータの2つのモジュールが生産できなくなる。中・高級車メーカーの生産停止のリスクなど、市場への影響は想像に難くない。自動車用チップの分野では、中国企業は立つ瀬がない。中国の自動車に使用されているチップは、設計や製造における技術的なギャップが大きいため、これまでは輸入に大きく依存していた。
天鈞政経シンクタンクの研究員・任重道(にん・じゅうどう)氏は、大規模な航空宇宙分野から小さなスマート家電まで、チップの欠如が中国の工業を前進させることを困難にしていると指摘した。
(翻訳・常夏)