中国共産党の人権侵害を繰り返し批判している米プロバスケットボール(NBA)のエネス・カンター(Enes Kanter )選手は16日、中国共産党(以下、中共)が臓器を得るために良心の囚人を産業規模で殺害していると、再び中共を批判した。
カンター氏は、「中共政府は強制的に臓器摘出を行っている」とし、「中国の少数民族や宗教団体、チベット人、強制収容されたウイグル人、キリスト教徒、法輪功学習者はすべて標的である」と述べた。
カンター氏は、多くの中国強制収容所の生存者、香港人、チベット人、台湾人と向き合ってその実体験と生の声に耳を傾けたと話した。「YouTubeの動画を数本視聴しただけではない」という。中国強制収容所の生存者である女性はカンター氏に、獄中で何度もレイプやリンチを受けたことや、臓器狩りの実態などについて話したという。
「神様が、声を上げられない罪のない人々の代弁者になるように、発言の場を与えてくださったと思う」とカンター選手はいう。
同氏は、中共支配者が政治犯から肝臓、腎臓、心臓を盗んでいることをファンに伝えた。彼は中国における大規模な人権侵害への関心を高めるためにデザインされた一連のシューズを発売した。
今回新発売したスニーカーには、青い服を着た医師が血の滴る臓器を握りしめている姿が描かれている。靴のつま先には肝臓、腎臓と心臓が描かれており、それぞれの臓器には値段がついている。そして、靴全体に血しぶきが描かれている。
中共を率直に批判したことが報復を招いた。彼がツイッターに投稿した、「中国共産党による現地での信教の自由への弾圧を攻撃する短い動画」の後、セルティックスの試合の生中継がテンセントから消えた。
また、カンター氏は今シーズンのプレー時間も著しく減っている。これまで2試合しか出場しておらず、1試合あたりの平均出場時間はわずか5分しかなかった。それが彼の行動に関係しているのではないかと疑うファンもいる。そして、カンター自身もそれを示唆していたようだ。彼は、「あなた(中共)がコート上で私を制限し続け、私はコート外であなたを暴露する」とツイートした。
彼は、これからも恐れることなく、中国政府による人権侵害を議論していくと決意を語った。「あなた(中国政府)のスポンサー契約やカネ、すべてのビジネスには興味がない。もしあなた(同)が人権を侵害しているのであれば、私は必ず声を上げる」という。
(翻訳・吉原木子)