(YouTube動画のスクリーンショット)

 今、台湾を拠点に活動しているマレーシアのマルチタレント、黄明志(ホアン・ミンジー)は先月リリースしたシングル「ピンクの歌(英語:fragile、中国語:玻璃心)」は、瞬く間に大ヒットし、中国では禁止されているにもかかわらず、海外ではますます人気が高まり、4週間でアクセス数が3,000万を突破した。15日、黄明志は台湾で新曲発表会を開催し、陳芳語(キンバリー・チェン)と初めて一緒に「玻璃心」をライブで歌った。イベント終了後の記者会見で、黄明志は「玻璃心」がこれほど大きな反響を呼ぶとは思ってもいなかったと語った。

 15日、マレーシアの歌手、黄明志が台湾で新曲の発表会を行い、多くのメディアが集まった。黄明志と陳芳語は、ステージで初めて一緒に「玻璃心」を歌った。この曲は4週間前からオンラインで公開されており、すでに3,000万回以上のヒットを記録している。

 AFP通信などの取材を受けた黄明志氏は、「玻璃心」の創作過程について言及した際、自分を制限したり、自己審査をかけたりすることはなく、それが創作の多様性を保っている」と語った。

 「玻璃心」は、長いタイトルもある。『聽見玻璃心碎的聲音』。ガラスでできた心が割れたときの音が聞こえたという意味である。英語のタイトルの「フラジャル」は、「壊れやすい」、「もろい」という意味。「ガラスで出来た心」、「人から何か言われるとすぐ落ち込んでしまう」、または「すぐ怒ってしまう」という意味として使われている。

 この歌は、「ピンク色のロマンチックなスイートなラブソング」と宣伝されているが、歌詞のところどころで、中国大陸のネットユーザーの中の毒舌家、「小粉紅」と、少数民族ウイグル族をめぐる「新疆綿」や「再教育」など、中国共産党を暗に風刺しているので、中国では物議を醸しており、放送禁止の対象となっている。

 これに対し、黄明志は、自分の曲にはすべて隠された意味があるが、人によって解釈が異なると語った。この歌はラブソングであって、動物愛護を呼びかける歌でもあると説明、両極端の反応について、歌に対する関心度が高いのはいいことだ。コウモリやハクビシンが他の問題を暗示しているかどうかについて、「私の作品の解釈は人それぞれで、ソングライターは自分の作品を逐語解釈しようとしないので、ネットユーザー自身の解読もコミュニケーションの1つである」と述べた。

 北京では長年にわたり、政権批判者をブラックリストに載せてきたため、北京語を話す歌手や映画スター、有名人は、公の場で中国共産党を批判することを避けている。失言すれば、世界最大の北京語圏市場から締め出され、キャリアは台無しになってしまう。

 しかし、中国共産党が世界の舞台でますます傲慢になっていく中、中国共産党の禁忌の話題を勇気を持って創作活動で取り上げた黄明志と陳芳語の姿は、人々の共感を呼んだ。

(翻訳・藍彧)