複数のメディアによると、「小売業の都」と呼ばれる浙江省義烏市の昨年の輸出総額は初めて3千億元(約5.3兆円)を突破し、3千6億2千万元(約5.4兆円)に達した。しかし、今年に入って発生した運航危機と最近の電力制限により、一部の海外からの注文がキャンセルされ、貨物を倉庫に一時保管せざるを得なくなった。事業者の資金繰りが深刻に悪化している。
9月は義烏の輸出最盛期にあたり、当局が突然打ち出した電力制限令と、港の渋滞が重なり、出荷することが難しくなったため、海外からの注文が大量にキャンセルされた。同状況は今年第4四半期の輸出数字に影響を及ぼす可能性があると考えられる。
中国公式メディアによると、世界の海運価格は引き続き上昇し、一部の航路では一時的に10倍以上に値上がりしたこともあり、義烏に大きな影響を与えた。特に低付加価値商品の利益が薄いため、値上がりした運賃により、出荷日を遅らせた海外の取引先や、受取を拒否した取引先もあるという。
多くの海外取引先が突然注文をキャンセルしたため、義烏では商品が滞貨し、資金繰りが悪化している。貨物取扱業者によると、通常の状況では貨物の入出庫が3日しかかからないが、現在は10日以上、1 ~ 2ヶ月に至るケースもあるという。ある家具用品メーカーによると、今年4月分の注文は6月に納品される予定だったが、11月になっても、まだ倉庫にあり、資金繰りの圧力が倍増しているという。
また、中国の疫病予防対策によって、多くの海外取引先が直接商品を確認することができなくなり、注文が大量にキャンセルされた。ある装飾商品業者は、コロナウイルス発生前は毎月の売上が約300万元(約5400万円)だったが、発生後、海外の取引先が現地に来られないため、現在は70~80万元(約1260万円~1440万円)に縮小したと述べた。
(翻訳・吉原木子)