米国のバイデン大統領と習近平総書記の初のオンライン首脳会談は15日に行う予定だが、台湾問題が議論されるかどうかが世論の焦点となっている。中国の王毅外相と米国のブリンケン国務長官は、首脳会談をスムーズに進めるため、13日に先に立って電話をした。
中国外務省によると、王毅氏は、習近平氏とバイデン氏との会談で「双方が相互に満足すべきだろう」とブリンケン氏に伝えたという。米政府は台湾問題に関して「誤ったシグナル」を送るのを直ちにやめるべきだという。
ここ数週間、台湾問題をめぐって再び緊張が高まっている。
北京が台湾を攻撃した場合、米国が介入する用意があることを示唆したバイデンの発言を受けて、米国の外交官たちも、「北京は軍事介入を行わないように」繰り返し警告していた。
台湾の軍事専門家である国家政策研究基金会の李正修副研究員は、習近平氏が自らの意思で台湾問題を提起する可能性は低く、彼らは通常、相手が提起するまで待って、それからそれに対応すると考えている。
時事評論家の李林一氏は、台湾問題について、米国は依然として「一つの中国原則」(注1)、中国共産党は依然として「一つの中国政策」(注2)を貫いており、双方は相変わらず各自を主張するだろうと分析した。また、経済・貿易面では双方が協力するが、何らかの合意に達する可能性は低いだろう。
注1、注2:中国の「一つの中国原則」とアメリカの「一つの中国政策」は別物である。これは英語文献では ‘One China principle’ と ‘One China’ policy と表記し区別される(引用符がない場合もある)。この用語の使い分けは,米中関係の中核問題である台湾について,米中双方の立場・利害が異なることを示す。
中国の「一つの中国原則」とは,①「世界で中国はただ一つである」,②「台湾は中国の不可分の一部である」,③「中華人民共和国は中国を代表する唯一の合法政府である」という三段論法である(2000年の中国政府の白書「一つの中国原則と台湾問題」)。
アメリカの「一つの中国政策」は,①「1972年,78年,82年の三つの米中コミュニケ」,②1979年制定の「台湾関係法」,③1982年にレーガン大統領が台湾に対して表明した「六つの保証」から成り立つ。
(翻訳・藍彧)