最近、中国の有名なチップ製造企業が相次いで混乱に陥っている。台湾メディア「自由時報」の報道によると、半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の研究開発部門の元首席運営官・蒋尚義氏は、中芯国際集成電路製造(SMIC)の副会長として採用されたが、今週、蒋氏をはじめとするTSMCの元幹部2名がSMICからの辞任を発表し、SMICでの内紛が懸念されている。
SMICの声明によると、11日にSMICの3人の重役が辞任を発表した。台湾メディアの報道によると、この事態には、SMICの中国派と台湾派の両派の重役を巡る社内対立が関連していると指摘された。今年7月、同社の中国派トップ技術者、技術研究開発担当の副総裁・呉金剛氏が個人的事情で辞任し、業界に衝撃を与えた。9月、同じ中国派のベテラン取締役である周子学会長が、自身の健康上の理由で会長を辞任することを発表した。
内紛が続く状況下、SMICでは人材の流出が続いている。今週、SMICで再び変動が発生し、台湾派の複数の重役は辞任を表明した。一方で、米国の禁止措置により、同社の生産は依然として制限されている。オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングの中国エリア総裁・沈波氏は最近、中国の顧客に向けて、高度なチッププロセス用の極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置がまだ出荷されていないことを確認した。つまり、SMICは北京政府のチップ生産に協力するために、さまざまな面で困難を抱えている現状が浮き彫りになっている。
(翻訳・徳永木里子)