東北寒冷渦と地上低気圧の影響を受け、中国遼寧省ではこのほど、ブリザード(暴風雪)に見舞われ、低温により、640万の家畜が凍死し、17億元(約300億円)以上の経済損失が発生した。新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)と吹雪のダブル攻撃に見舞われ、地元のスーパーは「野菜も肉もなくなった」と嘆く人がいた。
中国北部では6日から大雪が降り、気温が大幅に下がり、一足早く冬に入った。遼寧省では7日から9日にかけて史上稀に見るブリザードに見舞われた。遼寧省気象局の統計によると、省内にある62カ所の国家気象観測所のうち、30mm以上の超大雪に見舞われたのは39カ所で、省内の観察所の5分の3を占め、12都市に広がっている。現在、同省の最大降雪量は80.3ミリに達し、11級(28.5~32.6m/s)の強風を伴って、気温が16度以上下がっている。
遼寧省政府は現在、今回の大雪を最も深刻レベルの「レベル1ブリザード災害」に分類している。10日午後4時まで、同省の被害を受けた農場は1万1600軒、倒壊した家畜・家禽の畜舎や付属施設面積は676万1600平方メートル、死亡した家畜・家禽は640万5000羽で、直接的な経済損失は17億元(約303億円)以上にのぼる。
また、最近、中国各地で新型コロナウイルスの流行が再び発生したため、「肉よりも野菜の方が高い」という現象が起きており、食料や野菜不足が時々報告されている中、今回の大雪がこれに拍車をかけたことは間違いないだろう。
大連市では7日に、新規感染者20人が確認され、さらに大雪などの極端な天候に見舞われたため、多くの市民が買いだめに急ぎ、一部のスーパーでは野菜や肉が空っぽになったり、冬に備えて米を150kg買いだめする人もいたという。
(翻訳・吉原木子)