イスラエルはこれを使って、パレスチナから撃ち込まれる数千発のロケット弾や迫撃砲を迎撃してきた。その対空防衛システム「アイアンドーム」が目下、中国からの攻撃リスクを警戒する米軍によってグアムで試験運用されている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は9日、米国が宇宙空間から下降して標的を攻撃する中国の弾道ミサイルの脅威に備えるため、さらに防衛能力を強化する計画だと報じた。アイアンドームの試験運用は、最大の脅威として警戒する中国の軍拡に対処するため、米国が多岐にわたる軍装備をアジア太平洋地域に振り向けている現状を浮き彫りにする。
米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のミサイル防衛プロジェクト責任者、トム・カラコ氏は、空軍基地などを構えるグアムを防衛できなければ、太平洋で米国の軍事力を誇示することは難しいと指摘した。
北京が8月に試験した極超音速弾頭を搭載したミサイルは、グアムを含むミサイル防衛システムを回避できるように設計されていた。そこで登場する「アイアンドーム」が役割を果たすところである。
これを受けて米軍は、2019年に購入した2基の「アイアン・ドーム」を、10月に米国本土に1基、グアムに1基配置することを決定した。グアムに駐留する部隊は、12月までに「アイアン・ドーム」の操作、及び他の防衛システムと統合するための訓練を行う予定。
(翻訳・吉原木子)