中共の紅軍の軍服を着ている子供たちが「爆薬」と書かれた布袋を背負している様子(ツイートより)

 中国の教育機関が行ったイベンドを紹介する動画がこのほど、ソーシャルプラットフォームで流れており、話題となっている。動画には、対象となる小学校低学年の子どもたちが、中国共産党(以下、中共)の紅軍(こうぐん)の軍服を着ている様子が映っている。保護者同伴で「敵の封鎖を突破」する。雰囲気を盛り上げるために、主催者は赤い煙発生器を点火した。しかし、衝撃的だったのは、子供たちが「爆薬」と書かれた布袋を背負うよう要求されたことだ。

 これに対し、憎悪を植え付ける中共のナショナリズム教育の方法を批判する長文を投稿するネットユーザーもいた。文章によると、中共の洗脳プロパガンダは、子供たちを幼い頃から、より大きな国の利益のために小我(自分)を犠牲にするという「(死を)恐れない」精神を育てるためであるという。しかし、子どもたちは国や民族の未来であり、戦争と災害が来る時の最初の保護対象である。いかなる子どもをも、「武器」にする行為は世界中から非難される。

 アメリカで「生命倫理学」の提唱者ヴァン・R ・ポッター教授は、生命を尊重することには生命を畏れ、生命を尊重するという二重の意味が込められていると述べた。自分の命も他人の命も大切にすることは、社会的価値を保障するための必要条件である。子どもたちが学校に通うのは、知識を学ぶためだけではなく、人間としてのあるべき姿や普遍的な真理を学ぶためでもある。子供たちに自分の良心に従って行動する方法を知るように育てなければならない。幼い頃から「爆薬」を背負わせるようなゲームは、認知能力の低い未成年者にとっては誤った方向に導くことになる恐れがある。

(翻訳・徳永木里子)