中国国務院直属の事務機構である国務院台湾事務弁公室(以下、国台弁)は5日、台湾の蘇貞昌行政院長(首相)と呉釗燮外交部長(外相)、游錫堃立法院長(国会議長)と親族らが中国本土と香港、マカオを訪問するのを禁じる制裁措置を発表した。またいわゆる「台湾独立の旗手」とし、法に基づいて処罰すると脅迫した。これに対して、蘇貞昌氏と游錫堃氏は、中国共産党(以下、中共)の脅迫に恐れないと述べた。
中華民国聯合報によると、国台弁の朱鳳蓮(しゅ・ほうれん)報道官は5日、リストに掲載している人に対して、北京当局が懲戒処分を実施し、彼らと親族らの中国本土、香港、マカオ特别行政区への入国を禁止し、彼らの関連機関と中国本土の関連組織や個人とが連携することを制限するとともに、関連企業や金主などが中国で利益を上げることを認めないと明らかにした。
中華民国行政院長の蘇貞昌(そ・ていしょう)氏、立法院長の游錫堃(ゆう・しゃくこん)氏、外交部長の呉釗燮(ご・しょうしょう)氏が同リストに載っているという。
中央通訊社によると、蘇貞昌氏は同日、立法院で「台湾のために全力を尽くすのは当然のことである」とし、「脅迫に恐れない」と強調した。また、中共が台湾の事務に不当に干渉していることは、馬鹿げている、唾棄すべきことだと批判し、台湾の主権を守るために必ずや毅然とした態度で臨み、さらにそれを誇りに思うと強調した。
游錫堃立法院長はフェイスブックで、「また中国公式メディアで話題となった。私の国際的知名度がさらに上がったようで、光栄に思う」と投稿した。
自由時報の報道によると、台湾の中国大陸(香港及び澳門を含む)に関する業務全般を担当する機関である大陸委員会は5日、台湾は民主主義、法治社会であり、中共の管轄を受けず、専制政権の脅迫をも受けないと主張した。もし北京当局が両岸関係を無視し、意図的に台湾の民主主義や自由を破壊し、対立と不安を引き起こそうとすれば、我が政府は国民の安全と幸福を守るために必要な対抗措置を講じ、中共は起こりうる結果に対して責任を負わなければならないとしている。
(翻訳・吉原木子)