香港理工大学(Exploringlife, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 北京当局が昨年、香港で「国家安全維持法(国安法)」の実施を強行したのに続き、香港政府はこのほど、「国安法」を大学の必修科目にした。現在、香港の8つの公立大学のうち、4つの大校がすでに「国安法」に関する講義、セミナー、シンポジウムなどを導入している。

 ロイター通信によると、これらのいわゆる講座やセミナーでは、「国安法」の66の条項や関連する制裁措置について詳しく説明すると同時に、いわゆるナショナル・アイデンティティ、すなわち中国共産党に同調する必要性を強調しているという。また、授業にはビデオカメラが設置され、その様子がすべて記録されている。香港浸会大学の学生2名によると、教室には少なくとも1台のカメラがあり、身元不明のカメラマンが写真を撮っていたとのこと。

 その4つの大学はそれぞれ、香港浸会大学、香港理工大学、嶺南大学、香港教育大学である。

 ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクク所属の政治科学教授であるカトリン・キンゼルバッハ氏は、これらの講義がすでに香港の学問の自由を侵害していると主張した。

(翻訳・吉原木子)