大陸間弾道ミサイルを発射する潜水艦(パブリック・ドメイン)

 世界的な軍拡競争の中で、米軍は、起爆時間をより正確に把握できる、弾道核ミサイル用の高度な電子センサーを開発した。

 英紙「デイリー・テレグラフ」10月31日の報道によると、同センサーは、すでに米軍が保有する数百もの最強の核弾頭に搭載している。専門家らは、これはロシアや中国の核ミサイルを破壊する能力をさらに高めたと述べた。この技術を使えば、固められたサイロや山中の避難所など、世界でも最も困難なターゲットを攻撃することも可能になる。

 核弾頭が爆発する最適な時間を設定する電子センサーは、米政府が数十億ドルを投じ、今年7月に海軍の潜水艦発射ミサイルに搭載された。専門家によると、この電子センサーは米軍の潜水艦艦隊の破壊力を約2倍に向上させたと推測されている。

 米国防総省は、これらの部品は既存のミサイル弾頭の改良であり、新たな実質的能力を提供するものではないと主張した。しかし、核プログラムに詳しい専門家は、ワシントンポスト紙に、これまでの兵器に比べて核弾頭の破壊力が格段に増すことになると語った。

 かつて米政府のサンディア国立研究所に勤めたエンジニア、ポール・ホマート氏は、「驚異的な技術だ」と語った。米国の既存の兵器はすでに高い精度を持っているが、今回開発したセンサーは、爆発の最適なタイミングを計算し、ターゲットに最大のダメージを与えることができると述べた。

(翻訳・徳永木里子)