習近平当局は「共同富裕」計画を推進しつつあり、多くの業界に対する規制を行った。27日発表された中国長者番付『胡潤百富榜2021』で、馬雲(ば・うん、ジャック・マー)氏と馬化騰(ば・かとう、ポニー・マー)氏はトップ3に入らなかった。
中国の民間調査機関・胡潤研究院は27日、中国の富豪ランキング『胡潤百富榜2021』を発表した。今年1月15日までのデータから計算すると、飲料水大手「農夫山泉(Nongfu Spring)」の創業者である鍾睒睒(しょう・せんせん)氏は3,900億元(約6.9兆円)の資産を保有し、初めて中国富豪の首位となった。動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の親会社、北京字節跳動科技(バイトダンス)の創業者である張一鳴(ちょう・いちめい)氏は、3400億元(約6兆円)の保有資産で2位となった。新エネルギーの電気自動車(EV)用電池を供給する「寧徳時代」の創業者である曽毓群(そう・いくぐん)氏は、3200億元(約5.6兆円)の保有資産で3位となった。
一方、昨年の1位であったアリババグループ創業者の馬雲氏と2位であったテンセント創業者の馬化騰氏は、今年はトップ3に入らなかった。
昨年の1位であった馬雲氏は、習近平当局の一連の監督と罰金を見舞われた後、かなり控えめになっている。アリババグループは、香港上場株価がこの1年で50%近く暴落し、注目されていたIPO(新規株式公開)も昨年11月にストップされた。
習近平当局の「共同富裕」計画の推進によって、中国の富裕層の心理状態に重大な変化が生じた。当局の次の「監督管理」の行動が自分の身に降りかかるのを避けるため、富に対し、積極的から保守的な姿勢に切り替えた。
『看中国』の特約評論家の唐新元(とう・しんげん)氏は評論記事で、「習近平当局の政策で、中国経済が衝撃を与えられ、萎縮状態を呈し、投資、輸出及び消費の経済の3大柱がともに崩壊しつつある。習氏は来年の再任に向けて準備しているが、今年に入ってからの数回にわたる『監督管理』行動は、経済に深遠な影響を及ぼし、特に金融リスクが絶えず、爆発させているため、うっかりすると習氏が自分の政策の反動を受ける恐れがある」と分析した。
(翻訳編集・吉原木子)