与那国島の海底遺跡(jpatokal http://wikitravel.org/en/User:Jpatokal  CC BY-SA 3.0

 沖縄県の与那国島の新川鼻という断崖の岬からわずか100メートル沖合の海底に、「与那国島の海底遺跡」と呼ばれる神秘の遺跡が眠っています。

 この遺跡は1986年にダイバーの新嵩喜八郎さんによって発見され、全長が東西方向に約250メートル、南北方向に約150メートル、高さは26メートルと極めて大きく、まるで水中ピラミッドが聳えているように見えます。この神秘的で幻想的な場所に人々の高い感心が寄せられ、数多くの憶測も飛び交いました。

 この不思議な物体は、自然に形成された地形なのか、人工的に作られたものなのか、地質学者や水中考古学者の間でかなり論争がありましたが、未だ定かではありません。

 ダイバー達が撮影した写真を見ると、人工的に切り出したような跡や、人が丁度歩くことができそうな通路状の隙間、階段状の壁、柱が立っていたと思わせる穴などがとてもはっきりと写されており、どこからどう見ても自然に形成されたものとは考えにくく、古代文明の遺跡だと考えた方が余程自然ではないでしょうか。

与那国島海底地形 「亀の岩」と呼ばれる地形(Wikimedia Commons / Masahiro Kaji / CC BY-SA 4.0

 しかし、琉球史では、遺跡が水没したとされる時代の資料が非常に少なく、南西諸島における地殻変動の記録も未だ見つかっていないとのことで、遺跡であるならば、いつの時代のものなのか? 誰によって作られたものなのか? 何故海底に沈没したのか? 謎が深まるばかりです。

 もし、私たちが学校で習った知識の壁を突き破り、先史文明が存在したという概念でこのことを考えてみれば、謎を解く何らかの手掛かりが得られるかもしれません。

 これまで、私たち人類が発掘、発見した様々な人類文明の遺跡から、「遥か古代から地球上にずっと人類が存在し、そして、とても高度な文明を築いていた」との結論を導き出すことができます。

 例えば、三葉虫の化石の上で発見された6億年~2.5億年前に靴を履いた人類の足跡や、21世紀のアフリカのガボン共和国で発見された20億年前の天然原子炉や、南アフリカ共和国で発見された28億年前の金属ボールなど、このような異なる時期に異なる文明が存在した例が数多く報告されました。

 これらの事実に基づき、一部の学者は先史文明理論を提起しました。つまり、人類の発展は今まで考えたようなものではなく、それは周期的なもので、異なる時期に地球上には異なる文明が存在し、そして、異なる時期に地球は大きな災難に見舞われ、当時の文明が破壊され、大部分の生物も絶滅し、幸いにも生き残った僅かな人達は原始的な生活から再スタートし、そして、子孫を増やし、繁栄し、次の文明を築き、そして、更に次の世界的な災難の中で滅んでしまう、という「誕生―発展―滅亡」と言った法則に従い、文明は循環を繰り返すという仮説です。

 与那国島の海底遺跡は正に、先史文明が存在したことの一つの証拠になるものではないでしょうか。この海底遺跡の神秘的な景観はダイバーたちの絶好なダイビングスポットとなっていますが、この海底遺跡がその姿を見せてくれた意味は何でしょうか? 遺跡は私たちに何を訴え、何を伝えようとしているのでしょうか?

 もし、先史文明理論の仮説が成立するならば、ダーウィンの進化論はたちまち破綻することでしょう。私たちが学校で学んだ進化論は、神々の存在を否定し、人間より更に知恵の高い生命の存在を認めず、人間は猿人から進化したのだ、と言うものでした。もし、先史文明の存在を認めるならば、私達の歴史教科書を書き直さなければならない上に、私達の生き方も考え方も生活様式も、徹底的に見直さなければならないでしょう。それは極めて重大な問題ではないでしょうか? 

 進化論の教育の下で、人々は弱肉強食のジャングル理論を信奉し、科学が万能であると信じ、人類は地球の支配者のごとく欲望をむき出しにし、利益追求のため、地球上の貴重な資源を浪費し、大切な自然を破壊してきました。私達は節制することを知らず、謙虚さを忘れ、道徳観を失いつつあり、このまま進めば地球上に再び破滅的な災難がやって来ても不思議ではありません。もし、私達人類も、動物も植物も、全ての生命が滅びてしまい、私達が作り上げてきた文明が、いつか次の人類によって海底で発見されるようなことになれば、これこそ非常に凄惨な結末ではないでしょうか?

 欲望を抑え、祖先から語り継がれた伝統を大切にし、次の世代に受け継がせ、道徳心を高め、自然と融合し、美しい地球を守りましょう。

動画「与那国島の海底遺跡」:

動画「与那国島海底遺跡と巨人文明の謎」:

(文・一心)