フランス国内治安総局(DGSI)は最近、同国の大学や研究機関への中国共産党の浸透に対抗するために、軍との関係が深い中国の大学7校の監視を強化している。25日に掲載されたフランス人ジャーナリストのアントワーヌ・イザンバール氏の記事でわかった。
今月5日、フランス元老院(上院)が主導した調査報告書によると、フランスの大学や学術界が外国からのさまざまな干渉や影響を受けており、それらをよりしっかり食い止めなければならないという。報告書は、フランスの大学で中国共産党(以下、中共)の影響力が「主導的地位を占めている」と指摘し、その浸透の手段として世界各地の「孔子学院」が含まれている。
フランスの科学研究部門では、毎年200件以上の科学情報の窃盗事件が発生しており、そのほとんどが中共と関係していると言われている。特に、中共軍と関係のある中国の7つの大学が関わっている。7つの大学はそれぞれ、西北工業大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、北京理工大学、北京航空航天大学である。そのうち、1920年に創立されたハルビン工業大学は、中共の行政機関の国家国防科技工業局(SASTIND)の直轄校である。
また、これら7つの大学に加えて、同じく軍事的背景を持つ中国西安交通大学と、フランスのトップクラスの機関である鉱業・道路橋梁工程学院が設立したパリ科学技術院が、今年8月に締結した協力協定も、情報機関の間で懸念されていると指摘した。 調査では、西安交通大学の博士課程の学生が、自分のコンピュータを使ってリサーチセンターのコンピュータシステムを誤作動させたという例を挙げた。
同記事によると、フランスの科学技術の財産権を保護するために、DGSIは25日から毎年恒例の「経済的浸透に関する迅速な諮問活動」を開始し、フランスの研究機関の情報員を増員し、大学や研究機関で予防宣伝を実施することが明らかになった。
(翻訳・徳永木里子)