北京冬季五輪を目前に控え、北京での感染状況を効果的に予防・抑制できるかどうかが、大会の成功の鍵となる。北京当局はすでに、北京市民を対象とした緊急の追加接種(ブースター接種)を開始している。
中国の医学専門家である鍾南山(しょう・なんざん)氏は今年8月20日、人口の80%以上がワクチンを接種した後、中国では有効な集団免疫を確立できると主張した。中国当局がこれまで全国的にワクチン接種を強要したのも、このような背景があったのかもしれない。
公式メディアの報道によると、7月20日まで、北京市での18歳以上のワクチン接種者数は1853.22万人に達し、1回目の接種率は95.18%。全市で1753.22万人が完全接種を終え、完全接種率は90.04%に達したという。
しかし、これほど高い接種率でも感染拡大の抑制に効果がないようで、北京当局もワクチンが効くという確信を持てないでいる。感染者が予防接種を受けたかどうかについては、公式の報道では触れなくなっている。当局が優先する予防管理措置は依然として「閉鎖」、「隔離」である。しかし、このような予防措置は、北京冬季五輪の開催を順調に進める妨げになりかねない。
北京当局は現在、追加接種に期待しているようだ。北京市疾病管理センターは21日、「これまでの研究結果では、追加接種により、抗体レベルを急速に高めることができ、より優れた防御効果が得られることがわかっている。これは感染しやすい人々を保護し、感染拡大を効果的に抑制することに重要な意義がある」と発表した。
北京市地元メディア21日の報道によると、追加接種は完全接種が満6ヶ月の18歳以上の人に義務付けられている。現段階では、警察官、消防隊員、交通や物流関係、出国者など、感染と伝播リスクの高い人を対象としているという。
(翻訳・吉原木子)