世界貿易機関(WTO)は26日、中国がバンレイシとレンブの輸入を禁止したことに対して、中華民国(台湾)が提起した「特定の貿易上の関心事項(STC)」が、11月の定例会議の議題になったことを発表した。それによれば、中国は同議案に対応しなければならない。
仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、中国が今年3月に台湾産パイナップルの受け入れを停止したのに続き、9月19日には台湾産のバンレイシ、レンブについても有害生物のカイガラムシが検出されたとして受け入れを一時禁止する措置を取ったと紹介。これに対し台湾当局は「カイガラムシは燻蒸すれば除去可能であり、国際貿易で日常的に行われている。中国が意図的に圧力をかけている」としてWTOに提訴する意向を示していたと伝えた。
その後、台湾当局はWTO台湾代表団を通じてWTOの食品安全検査・動植物検疫委員会(SPS委員会)に対し「特定の貿易上の関心事項」を提出して、WTOへの提訴を実行したとしている。
WTOのフェルナンド・プチョル広報担当が26日に台湾メディア中央通訊社(CNA)に対し、台湾から提出された「特定の貿易上の関心事項」が11月3~5日に行われるSPS委員会の議事日程に組まれ、初めて議論が行われる予定であることを明かしたことを伝えた。
中国税関総署は2月26日、何の前触れもなく一方的に、害虫「コナカイガラムシ」が検出されたため、3月から台湾産パイナップルの輸入を停止すると発表し、さらに9月19日、台湾産のバンレイシとレンブで同じ害虫が検出された。これに対し、台湾の農業委員会は、中国側に証拠の提出を求めたが、中国側からの回答は得られていない。
農業委員会予防検査局も今月初めに声明を発表し、台湾の農産物輸出は国際規範や中国の規制に適合しており、輸出対策の強化も実施されていること、中国が一方的に台湾産のバンレイシとレンブの輸入を停止していることは、貿易に深刻な影響を与えており、科学的根拠や国際規範にも反しており、容認できないことを強調した。
農業委員会の陳吉中主任は9月22日、台湾の果物は世界トップクラスの品質を誇り、世界中の消費者に愛されており、今後も様々な国際マーケティング施策を強化し、中国に過度に依存するリスクを回避するために輸出市場を多様化し、より多くの国の消費者に台湾の最高品質の果物を楽しんでもらいたいと述べた。
(翻訳・徳永木里子)