バイデン米大統領は21日夜、CNNが開いたタウンミーティングで、中国共産党(以下、中共)が台湾を攻撃する場合、米国が台湾を防衛するかとの質問に肯定的な回答をした。その後、ホワイトハウスは、対台湾政策は変わらないと発表した。
中国外交部の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は22日の記者会見で、台湾問題は中国の「内政」であり、外国からの干渉を許さないと主張し、この問題について、中国側は「妥協の余地はない」とし、誰も「14億の中国人の反対側に立つべきではない」と述べた。
中共の報道官がこのような激しい反応を示した理由は、CNN21日の番組で、司会者のアンダーソン・クーパー氏がバイデン大統領に、「台湾が中共に攻撃された場合、米国は台湾を守るのか」という最もデリケートな話題を質問したところ、バイデン大統領が「はい、それにコミットしている」と肯定的に答えたためである。
バイデン氏はまた、中国との意図的な軍事衝突を心配しているのではなく、両者の間で意図せずに対立がエスカレートすることを心配していると述べた。「中国、ロシア、そして世界は、我々が世界で最も強力な軍隊を持っていることを知っている。彼らがより強いものになるかどうかを心配する必要はないが、彼らの行っている活動は大きな過ちを招くかもしれないことに懸念している」と述べた。
ホワイトハウスの報道官はその後、「米国と台湾の防衛関係は『台湾関係法』に基づいている。我々は約束を守り、台湾の自衛を引き続き支援し、現状を一方的に変えるいかなる行為にも反対する」とし、「大統領は政策の変更を発表しておらず、米国の対台湾政策に変更はない」と強調した。
バイデン大統領が同様の発言をしたのはこれで2回目。8月19日、ABCの記者はバイデン氏に、「米国がアフガニスタンから撤退した後も、台湾は米国に頼ることができるか」と尋ねたところ、バイデン氏は、「もし誰かが侵入、あるいはNATOの同盟国に対して行動を起こした場合、我々は対応する。それは日本でも、韓国でも、台湾でも同じだ」と述べた。
中共体制内の学者である中国人民大学教授の時殷弘(じ・いんこう)氏でさえ、「米国が台湾との安保保障協力を強化する方向に転じている」と考えている。
(翻訳・吉原木子)