防衛省統合幕僚監部は23日、津軽海峡を抜け太平洋を南下した中国とロシアの海軍艦艇計10隻が、鹿児島県の大隅半島と種子島の間の大隅海峡を通過し、東シナ海に入ったと発表した。中露が艦隊を組んで、日本列島をほぼ一周した形となり、防衛省は「極めて特異な行動」とみて警戒を強めるとともに、意図を分析している。防衛省が、中ロの艦艇が同時に大隅海峡を通過するのを確認したのは初めて。
防衛省は23日、ロシア・中国10隻編隊の最新の航行状況を発表し、津軽海峡を通過した後、21日に本州の伊豆諸島の須美寿島と鳥島の間の海域を西に航行し、22日午後1時頃、四国の高知県南方180キロの沖合で中露艦艇が発見され、鹿児島県南部の大隅海峡を通過して東シナ海に向けて西へ航行を続けたという。
23日午前10時頃、長崎県男女群島の南東方約130キロまで航行した。統合幕僚監部が公表した航跡図を見ると、中露艦隊は日本列島をほぼ一周していた。中国とロシアの艦船が同時に大隅海峡を通過していることを日本の防衛省が確認したのは初めてのことで、防衛省は「極めて異例の作戦」として警戒・監視を強化している。
また、日本の防衛省も、ロシアと中国の艦隊が大隅海峡を通過した後、23日朝、長崎県の男女群島の南南東の海域で、中国の最新鋭ミサイル駆逐艦である「南昌」級駆逐艦からヘリコプターが離陸したため、航空自衛隊の戦闘機が緊急離陸して対応した。しかし、そのヘリコプターは日本の領空を侵すことなく、その後、駆逐艦に戻った。
(翻訳・吉原木子)