中国では、1年で最も販売の最盛期である9月、10月に、都市部に出稼ぎ労働者の「帰省ラッシュ」が現れた。
エネルギー危機が原因で、中国の多くの地域では9月下旬から、電力の供給制限が始まり、特に南部では20以上の都市が「電力の供給制限」が実施され始めた。一方、北部の産業中心地である北京市、天津市、河北省では、製錬所、化学工業、炭鉱采掘、建設などの産業が集まっており、出稼ぎ労働者に多くの仕事を提供している。
二酸化炭素の排出量を減らすため、今年は、習近平氏のエネルギー消費に対する「二重規制(エネルギー消費量・強度の削減 )」政策の結果、10月初旬には北部の26の都市で「操業停止令」が出され、これらの汚染度の高い企業は操業停止を余儀なくされた。
これを受けて、多くの出稼ぎ労働者にとって、2021年には都市に出稼ぎに出ても、あまり稼げなかった。年末に近づくと、各業界が不況に陥り、仕事の需要が減り、仕事が見つかりにくくなるため、早めに帰省するしかないという。
建築現場の労働者:
自從官方宣佈:「農民工(班組)不屬於法律意義上實際施工人,無權直接要求發包人支付勞務款」。很多工人要求發包方按日結工資。 pic.twitter.com/6C87HusQ9i
— mc文艺🌸 (@mc64122225) March 1, 2021
中国の内部政策のほか、外部環境の変化も中国の雇用環境に大きな衝撃を与えいる。昨年、中国政府が新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)のパンデミック(世界大流行)により、医療用品の輸出制限を強行したことで、多くの多国籍企業が生産を一国に依存しすぎることのリスクに気付き、中国に集中していた生産ラインを国外に移すなど、意識的にリスクを分散させるようになり、世界の貿易構造が一変した。いくつかの国では、これらの企業の中国からの撤退を促すために補助金政策を導入した。
また、トランプ政権の貿易戦争の影響が続いていることもあり、輸出受注が減少している。これらの事由により、外国人の貿易加工業に従事する労働者の雇用が大幅に失われた。ボイス・オブ・アメリカによると、外資系企業が中国から撤退する傾向は、今後も続くとのこと。
中国では今年に入ってから、多くの不動産会社が財務危機に陥ったため、不動産業界が不況に見舞われ、建設業従事者の失業者が続出している。中国の農民工は都市部で、最も多く従事するのは建設業である。
(翻訳・吉原木子)