(写真・新27陸軍軍事雑談Twitterより)

 中国共産党(以下、中共)軍用機であるY-8対潜哨戒機1機、Y-8遠隔干渉機1機が20日、台湾海峡中央線の南側の空域から台湾の西南部空域防空識別圏(ADIZ)に侵入したことを中華民国国防部(国防省)が同日に発表した。フェイスブックのファンページで投稿されたインスタントフライトのスクリーンショットで、「謎のドローン(無人機)」が中共機を追いかけ、加速している様子が映っている。同ドローンは3カ月前から軍事ファンによって追跡されているが、その正体はいまだに不明。

 国際戦略・軍備・戦史・軍事技術などを研究するフェースブック個人ブログ「新・二七部隊軍事雜談」は20日、「フライトレーダー24」のインスタントフライトのスクリーンショットを掲載し、同日午後に台湾南西部空域のADIZに正体不明のドローンが現れたことを示した。Y-8遠隔干渉機1機が妨害して飛行したところ、ドローンは突然加速し、速度が140ノットから252ノット(259.28km/hから466.704km/h)に変更した。

 この情報に対し、中華民国国防安全研究院の蘇紫雲氏は「希望之声」の取材で、ドローンの正体はMQ-9ドローンで、台湾空軍が独自に開発し、配備の段階まで発展した「騰雲」無人機である可能性があり、もしくは米国製ドローンである可能性があると述べた。

 20日のドローン行動は、中共軍用機への対偵察活動に過ぎず、追撃作戦ではないと、蘇氏が推測した。

(翻訳・徳永木里子)