半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は14日、日本に工場を建設すると発表した。この発表を受けて、小林鷹之経済安保相は15日の閣議後会見で、政府として様々な支援の手段を検討していることを明らかにした。
小林氏は19日、フィナンシャル・タイムズとの初のインタビューで、TSMCの日本工場の建設は、日本の半導体産業を復活させるための最初の一歩に過ぎず、日本にとって、米国や中国に匹敵するような半導体産業の長期的な戦略的ビジョンが必要だと述べた。
小林氏は、「日本は、日本が産業経済において『欠かせない』存在である状態で残るように保護・促進するのに失敗した」とし、「TSMCが日本工場を設置するのは最初の一歩に過ぎない。ここで止まれば日本の半導体産業の復興は希望がない」と述べ、「日本なしで国際社会が生存できないようにするため、優れた領域をどう構築できるかが問題」と強調した。
同報道によると、世界各国が半導体、電気自動車などを自国で独自生産しようとする「技術民族主義」が広がっている中、小林氏の見解は日本の現在の苦境を浮き彫りにしている。小林大臣の発言は岸田文雄首相が彼を経済安全保障担当大臣に任命してからわずか2週間後に出たものだ、と同報道が特別に言及した。
経済安全保障省の設立は、日本政府がTSMC社を説得し、熊本県に新工場を建設するというタイミングで行われた。岸田氏は14日、「日本の半導体産業の重要性と自主性を向上させ、経済的な安心・安全に寄与することを大いに期待するとともに、近く策定する追加経済対策を念頭に、TSMCの総額1兆円規模の大型民間投資などへの支援についても盛り込む」と述べた。
情報筋によると、TSMCと日本のソニーグループ、そして日本を代表する自動車産業であるトヨタ自動車グループの最重要部品メーカーであるデンソーは、熊本県に新しい半導体工場を共同で建設する計画であり、新工場で最大2,000人を雇用し、投資額は8,000億円になると噂されている。
(翻訳・徳永木里子)