中国共産党国家発展改革委員会(N509FZ, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 中国共産党(以下、中共)国家発展改革委員会はこのほど、市場で取引される電力価格の上下幅を拡大すると発表した。このうち、石炭火力発電の市場取引価格の拡大は原則的にいずれも20%を超えてはならない。高消費電力企業の市場取引価格は20%の制限を受けないが、発電所への圧力は依然として大きい。

 発展改革委員会が同政策を発表した後、江蘇電力取引センターが15日に発表した取引価格は19.94%上昇し、上限の20%とほぼ一緒であったという。

 公式メディア「第一財経」が専門家の意見を引用し、最近の石炭価格の上昇幅を考慮すると、電力価格の上昇幅が石炭価格上昇の影響を完全に相殺する可能性は低いと報じた。

 報道によると、A株に上場した火力発電会社14社は、これまで第3季の業績予告によると、いずれも収入減収か欠損となる可能性が高いという。純利益の下落の原因は、いずれも石炭価格の上昇によるものだ。

 著名文化学者の文昭氏は、「石炭価格の上昇は、生産能力と流通に対する政府の過度な介入に根源がある」と分析した。

 同氏は、政府の指示がころころ変わることによって、企業のリスクを大きくしていると指摘した。「政府が市場の客観的な需要を蔑ろにし、勝手に石炭の供給と流通を変えようとすれば、災いを招くことになる」

(翻訳・吉原木子)