中国北京市朝陽区の市場監督管理局は18日、ソニーグループの中国法人に対し、広告法違反で100万元(約1780万円)の罰金を科したと発表した。
これは今年6月末、ソニー中国が7月7日に新商品を発表すると予告するインターネット広告を流したことに端を発する。7月7日は日中戦争の発端となった盧溝橋事件(1937年7月7日)が始まった日だ。当日は対日感情が高まる可能性のある政治的に敏感な日とされる。日本でこの日が話題に上ることはほとんどないが、中国ではこの日を記憶している人が少なくない。
中国でこのネット広告を見た人々から批判が殺到したことを受け、同社は7月1日に広告を削除し、不適切だったとして微博(ウェイボー)上で謝罪し、最終的にイベントを中止した。しかし、北京当局は日本企業の行為が「国家の尊厳や利益を損なった」として、100万元の罰金を科した。処分は今月12日付。
これに対し、香港や中国では、「今や中国政府は、企業の製品発売まで規制するようになっている」「実際、日本では7月7日は七夕でもあるので、そこまでは考えていなかったのでしょう」「また、中国を侮辱したと思われたのか」というコメントなどが寄せられた。
公開された情報によると、北京政府は公式文書の中で、ソニーが広告法の「国家の尊厳や利益を損なってはならない、国家の秘密を漏らしてはならない」という規定に違反したとし、罰金を科したという。
中国共産党はしばしば日中対立を持ち出して対立を激化させているが、その政府の自国民に対する残害(ざんがい)はさらに深刻だと指摘するネットユーザーもいた。
(翻訳・藍彧)