中国の感染症の権威である張文宏(ちょう・ぶんこう)医師は12日、上海で開催されるフォーラムで、「ワクチン接種の目標は主に感染症の危険性を最小化することであり、感染症の伝播を阻止するのではない。なぜなら、ワクチン接種の目標は既に転換しているから」と述べた。この発言は各メディアで続々と報道された。
張医師はフォーラムで、「現在、ワクチン接種の目標は既に転換している。ワクチン接種によって感染症の伝播を完全に防ぐことがなく、ワクチン接種の目標は主に疾病の危険性を最小限に抑えることである」とし、「米国を例とすれば、3回目のワクチンを打つ目的は主に重症の発生を予防し、軽減することである。なお、多くの人が予防接種を受けた後にも再び感染される。時間が経てば経つほど、2回目の接種を受けた人が感染されることが多くなる」と述べた。
同氏はまた、8月29日までの米国のデータを引用し、ワクチンを接種した後に感染された割合は36%前後まで上昇したデータを提示した。シンガポールの2回目接種率は既に80%以上に達しているが、終息の兆しが見えないだけでなく、発症率がかえって上昇したとも述べた。
それでも、張医師は、ワクチンは感染後の重症化を予防する効果があるとして、ワクチン接種の必要性を強調し、デルタ変異株に対しても有効であると述べた。
現在、中国本土では浙江省、安徽省、福建省、河南省、黒龍江省、湖北省などの省で3回目のワクチン接種が始まっている。
(翻訳・吉原木子)