中国江蘇省淮安(わいあん)工業園区にある富強新材料有限会社の過酸化水素工場で14日朝、爆発事故が発生し、大火事になった。炎が100メートル以上に上がり、濃い煙がもうもうと立ち込めた。当局は、同事故で1人が負傷、1人が行方不明だと発表した。周辺の住民は恐怖に陥り、命からがら逃げ出した。地元住民から「周辺の臭いがきつく、毒されている感じがする」との声が寄せられた。
中国公式メディアによると、江蘇省淮安工業園区にある富強新材料有限会社の過酸化水素工場で14日午前7時頃、火災が発生した。1人が負傷し、病院に搬送された。1名が行方不明となり、全力で捜索・救助活動を行っている。火災の原因は調査中である。
地元住民は爆発音があまりにも大きかったため、怖くて慌てて逃げ出したという。住民の一人は「我が家から500メートルぐらい離れたところで、7時頃にバンという音がして、人々が逃げ出した」と振り返った。
また、同化学工場が地域の環境を汚染していると訴える住民もいる。しかし、当局が目をつぶっており、住民の訴えに回答しようとしなかった。
「しばしば変な臭いがして、その臭いを嗅ぐと、中毒した気分になる。2、3日に1回の頻度で嗅いでしまう。多くの人が訴えても解決されず、環境衛生局に電話で告発しても、関係者に簡単にあしらわれてしまう」
「私の実家は、事件現場から10キロ以内にある。この化学工業園区の爆発は一度や二度ではなく、汚染もかなり深刻だ。下流には淮安市の重要な水源である白馬湖もあり、今回の事故で管理部門には十分な注意を払ってもらいたい」
(翻訳・徳永木里子)