キューバのハバナ(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 米国の世界各国に駐在する大使館の職員から、「ハバナ症候群」の症状が相次いで報告されている。米中央情報局(CIA)は捜査本部を編成し、全世界で捜査を行っている。

 「ハバナ症候群」は2016年にキューバで初めて確認され、キューバのハバナに駐在する米国務省の職員が一連の説明不能な医療症状を示したことに由来する。ハバナ症候群の症状は、頭痛、めまい、疲労感、吐き気、不安感、認知障害、異なる程度の記憶喪失などの症状が含まれている。

 「ハバナ症候群」は2016年にキューバで初めて確認され以降、ドイツ、オーストラリア、台湾、ロシア、中国、インド、ボーランドなど、首都ワシントンでも米外交官らが被害を受けた。何らかの音波や電磁波を利用した攻撃との見方もあるが、約5年がたった今も原因が特定されていない。 

 また、ここ数ヶ月の間にウィーンでも数件の疑いのある症例が発生しており、米国務省とオーストリア政府は調査中であると発表した。8月には、ドイツ駐在の米国政府関係者少なくとも2人に似たような症状が現れた。

 報道によると、CIAは専門家を募集し、ハバナ症候群を調査する専門チームを作っているという。

 CIAのウィリアム・バーンズ長官は7月22日、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)とのインタビューで、「現在、ハバナ症候群に罹患している数百人の米政府関係者とその親族のうち、約100人がCIA職員とその家族である」と明らかにした。

(翻訳・吉原木子)