中国貴州省凱里市で、自家用車の窓に、日本の国旗を背景に「風より速く」とあるステッカーを張っていた男性が当局に「公共の秩序を乱した」として逮捕され、12日間の拘束と罰金600元(約1万円)の処分が科せられました。
問題となったステッカーの1枚には日本国旗をバックに「風より速く」と書かれており、もう一枚には「神風」と書かれていました。警察が男性の謝罪ビデオを作成し公表しました。男性は同ビデオで、中国人の民族感情を害したことに謝罪した後、自分が中国人であること、また中国を侮辱するつもりはないことを強調しました。
中国貴州省凱里で神風シールを車に貼った男が社会の公共秩序を見出したとして12日間の勾留と600元の罰金。クソシール貼っただけでアウトとな。。。 pic.twitter.com/wGvaMoDDnq
— 山谷剛史 中国アジアITライター(💉×2) (@YamayaT) October 10, 2021
中国国内では現在、異常とも言えるほどの厳しい言論統制が敷かれています。現在、中国で上映中の、朝鮮戦争に参戦した中国人民志願軍を描いた映画「長津湖」に対し、感想を述べた人が2人も逮捕されました。
6日、中国の著名なジャーナリスト・羅昌平氏が、新浪微博で中国軍の参戦の正当性について疑問視したことで、拘束されました。
その翌日、新浪微博の「左右的佑佑」というアカウントが、「参戦の最大の成果は玉子チャーハン(毛岸英を暗喩)だ、玉子チャーハンに感謝! 」「( 毛岸英が生き残っていたら)我々は北朝鮮と同じようになっていた。もちろん、悲しいことに、今も大差はないが」とコメントしました。その翌日8日、この「玉子チャーハン」という単語を投稿したユーザーは、「反米志願軍の英雄を侮辱し、悪い影響を与えた」という理由で10日間の拘束が科されました。
1950年11月25日、毛沢東の息子である毛岸英が、朝鮮戦争に参加し、北朝鮮で米軍機の空襲に遭い死亡したと言われています。中国では、毛岸英が軍紀を無視し、軍のキャンプで火を焚いて玉子チャーハンを作っていたところ、米軍に発見され空襲を受けたという説が流れています。同ユーザーは玉子チャーハンを毛岸英と暗喩し、毛岸英が死亡したことで、中国は北朝鮮のように世襲せずに済んだという意味を伝えました。中国語で北朝鮮のことを「同音異字」で表現していました。
現在の中国ではちょっとした言動で逮捕される可能性があります。
(新時代Newsより転載)