イタリアの首都ローマ、新型コロナワクチンの接種証明などの携帯の義務化に反対する数万人抗議デモ(ツイッター動画のスクリーンショット)

 イタリアは15日から実施される、新型コロナワクチンの接種証明などの携帯を義務化する命令を受けて、首都ローマで9日から、これに反対する数万人抗議デモが行われた。デモ参加者の一部は警察と衝突した。

 イタリア政府は9月に、10月15日から公共および民間の職場に入る際に「グリーンパス(接種証明)」を携帯・提示しなければならないと発表した。これにより、イタリアはヨーロッパで初めてワクチンパスポートを義務化する国となった。

 グリーンパスを取得するには、ワクチンを1回以上接種しているか、過去6ヶ月以内に感染症から回復しているか、過去48時間以内にPCR検査で陰性であることが条件となる。この規制に従わない場合、従業員も雇用者も罰金を科せられる。

 今回の抗議デモは政府の許可を得ていないが、デモ隊はローマ市中心部のポポロ広場から行進を開始し、マリオ・ドラギ首相の執務室にたどり着こうとしたと報じられた。デモ参加者の多くは、拳を握りしめ、イタリア国旗を振ったり、「自由を!」などのスローガンを唱えたりしていた。また、「私たちの仕事から手を離せ」と書かれた横断幕もあった。デモ隊の前進を阻止するために、機動隊員の装備を着用した警察が列を作り、デモ隊に水をかけ、少なくとも1人が負傷した。

(翻訳・徳永木里子)