中国東北にある遼寧省は11日、再び深刻な電力不足を意味するオレンジ色(注)警報を発令した。同省では最大474万キロワットの電力負荷が不足していると発表した。遼寧省政府が電力不足警報を発令したのはここ2週間で5回目となり、オレンジ色警報は2回目となる。

 オレンジア色警報は、遼寧省がその日のうちに10~20%の電力不足に陥っていることを意味するという。遼寧省当局は、電力不足を乗り切るために、継続的に1時間から3時間の停電を時間をずらして対応すると発表した。

 台湾シティバンクのアナリストが先週発表した報告では、現在の石炭価格の高騰により、中国の火力発電所の70%以上が赤字経営に陥っていると指摘した。また、 米2大格付け会社の一つである「ムーディーズ・インベスターズ・サービス」は、中国の電力供給不足が経済成長に圧力を与え続け、来年のGDP成長率予想に影響を与えるとともに、国内のサプライチェーンや生産活動にも大きな衝撃をもたらし続けると述べた。

 注:中国の警戒信号のレベルは、一般的に気象災害がもたらす危害の程度、緊急度、展開状況に応じて、Ⅳ(一般)、Ⅲ(軽度)、Ⅱ(重度)、Ⅰ(特に重度)の4段階に分けられ、青、黄、オレンジ、赤の順に表示される。

(翻訳・藍彧)