欧州議会の議場(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 欧州議会は6日、「The future of EU-US relations(訳:欧州連合と米国の未来の関係)」決議案を高得票数で可決した。同決議は、中国における少数民族の人権保護や、南シナ海、東シナ海、香港及び台湾海峡における緊迫な情勢の緩和などの問題について、欧州連合(EU)が米国に合意と協力を求める必要性を強調した。中華民国外交部(外務省に相当)は、欧州議会が再び具体的な行動を起こし、台湾海峡の平和と安定に大きな関心を示してくれたことに感謝の意を表した。

 決議案は賛成550、反対83、棄権55の本会議投票で可決された。同決議ではまた、EUが推進しているインド太平洋戦略は、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、台湾など、EUと米国の共通の民主的なパートナーが果たす役割で、インド太平洋地域におけるEUと米国のパートナーシップと行動の協調を強化するよう呼び掛けていると指摘した。

 中華民国外交部は7日、プレスリリースを発表し、欧州議会が再び具体的な行動を起こし、台湾海峡の平和と安定に大きな関心を示してくれたことを心から歓迎し、感謝の意を表した。また、最近、中国軍機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に頻繁に侵入していることは、台湾の国家安全保障に対する重大な挑発だけでなく、インド太平洋地域の平和と安定に対する脅威でもあるため、米国、日本、オーストラリア、ドイツ、イギリスなどの民主主義諸国が大きな懸念を表明していると指摘した。

 1日から5日にかけて、中国の軍用機150機が台湾のADIZに侵入したため、台湾海峡には未曾有の緊張が走っている。台湾の軍隊は積極的に戦争の準備をしている。蔡英文総統は5日、「台湾は軍事対立を求めていない。しかし、台湾の民主主義と生活様式が脅かされる場合は、台湾はあらゆる手を尽くして自らを守る」と表明した。同氏は、「台湾が万が一(中国共産党の手に)落とされたら、地域の平和と民主的な同盟体制にとって壊滅的な結果を招く」と、国際社会に警鐘を鳴らした。

 (翻訳・徳永木里子)